100点取るなんてエラいわねぇ
だからあんたはダメなのよ!
よく聞く2つのセリフ。
親の発言として良くないのはどちらでしょうか?
一見後者がダメなように感じますが、実は前者のセリフも子供にとって追い詰める可能性があります。
後者がダメな理由は言わずもがな。
前者のセリフは子供にとって、100点以下の点数は存在価値を失うという意味を持たせてしまう可能性を秘めています。
良かれと思って言った誉め言葉が裏手になるのは悲しいですよね。
親が子供にかける一言で、子供の性格やひいては一生を左右しかねない事もあり得るのです。
そんな惨事を避けるために今回はその「一言」が子どもの脳をダメにするという本を紹介します。
『こういうシチュエーションでは、こんな言葉をかけましょう』というのが25パターン記載されています。
それらすべてを紹介すると重くなるので、本質的な以下2点を紹介します。
- 子供の脳は年齢別にどう成長し、どう接すればいいか
- 年齢問わず子供への基本的な声掛け
親の何気ない一言で子供にネガティブな感情を植え付けてしまう前に、ご一読ください。
オススメ書籍
- 未就学児から小学生までの子供がいる
- 子供が言うことを聞かない
- 気付かず子供の成長を奪う接し方をしているか不安
子供の脳の発達3step

子供の脳の発達には大きく分けて3段階あります。
1.からだの脳(間脳・脳幹)
育つ時期:0歳~5歳
内臓や自律神経など生きるために必要不可欠な機能を司る脳の部分です。
規則正しい生活リズムと十分な睡眠時間
2.おりこうさんの脳(大脳新皮質)
育つ時期:6歳~14歳
言語機能や手足の細かい動きを司る脳の部分です。
多くの経験・知識・情報の体験やインプット
3.こころの脳(前頭葉と間脳・脳幹をつなぐ神経回路)
育つ時期:10歳~18歳
論理的思考・問題解決力・想像力など高度な思考力を司る脳の部分です。
質の良い体験やインプットを続けること
脳の発達には医学的根拠として上記の順番があります。
十分な睡眠時間が確保されずに多くの習い事をしても、自律神経失調症を起こし不登校や過度な反抗を行うリスクが高まります。

これが各年齢に合わせた必要睡眠時間です。
あなたの子供の睡眠時間は十分確保されていますか?
習い事の検討や反抗期で悩んでいるなら、まず規則正しい生活リズムと睡眠時間を見直してください。
それが出来てからスポーツや習い事、体験学習の効果が発揮されます。
規則正しい生活リズムと十分な睡眠が脳の発達の土台
あいまいな言葉は脳の成長を阻害する

ちゃんと宿題やりなさい!
きちんと片づけなさい!
これも親ならよく言うセリフではないでしょうか?
では『ちゃんと』とは何でしょうか?
『きちんと』とはどのようにするのでしょうか?
状況によって定義が変わる曖昧な言葉は、具体的な行動を想像できず子供が混乱します。
中途半端な行動しかできず、また怒られるという負のループに嵌ります。
ではどのような声掛けをすれば良いでしょうか?
ポイントは『ロジカルに』『フルセンテンスで』です。
学校から帰ってきたら、まず宿題終わらせちゃいなさい。
そうすれば気兼ねなく遊べるでしょう。
晩御飯食べ終わったら、出したおもちゃを元の場所に戻しなさい。
次使うとき楽だし、掃除するのも簡単だよ。
大人と違って子供は『言葉の意味を察する』という力が弱いです。
5W1Hや理由付けで、具体的にどう行動すればいいか子供が迷わないくらい丁寧に説明しましょう。
『ロジカルに』『フルセンテンスで』説明すれば親からの期待値は明確になり、それを達成すれば良いと子供も認識できます。
日頃から親がロジカルな言葉をかけていれば、知識や情報をインプットするおりこうさんの脳(大脳新皮質)と論理的思考を司るこころの脳(前頭葉と間脳・脳幹をつなぐ神経回路)が刺激され、自然と子供もロジカルシンキングが身に付きます。
子供への声掛けは『ロジカルに』『フルセンテンスで』
まとめ
- からだの脳(間脳・脳幹)
0歳~5歳
規則正しい生活リズムと十分な睡眠時間 - おりこうさんの脳(大脳新皮質)
6歳~14歳
多くの経験・知識・情報の体験やインプット - こころの脳(前頭葉と間脳・脳幹をつなぐ神経回路)10歳~18歳
質の良い体験やインプットを続けること
子供への声掛けは『ロジカルに』『フルセンテンスで』
いかがだったでしょうか。
子供の脳の成長は年齢によって異なり、それに合わせた接し方が必要です。
また子供への声掛けは何歳であっても、『ロジカルに』『フルセンテンスで』です。
当たり前ですが、子供は身体だけでなく心も成長します。
いつまでも幼児期の接し方をしたり、幼児期に高度な教育や成果を望むと、子供の成長の妨げになります。
『今、子供にどんな接し方が適切か』を考えさせられる1冊です。
オススメ書籍